| [第5章] TRADITIONAL SHIRTS-2 |
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FRONT & CUFF シングルカフス表前立てが基本
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前立てとカフスの種類
ドレスシャツのボタンで止める前の部分を“前立て”と呼ぶが、これには表前立て、裏前立て、比翼前立ての三つの種類がある。
トラディショナルなシャツは、いう迄もなく表前立て。つまり、前立て部分に別布が付いて二重になっている。
この表前立ての幅は通常4センチくらいだが、デザイナーのラルフローレンみたいに、ここをわざと幅広にして特徴を強調したものもある。
この前立て幅が極端に狭いのは、いくらボタンダウンでもイタリアのシャツのような感じがして、トラディショナルなスーツやブレザーには合わない。
裏前立ては別名フレンチ前立て、といって、ヨーロッパ調のものに多い。わが国でも、アダルトのワイシャツは、全体からいえば、裏前立てが普通だ。
もうだいぶ前のことになるが、ピエールカルダンのデザインしたドレスシャツをパリで買ったら、比翼前立て、つまり、ボタンがまったく見えない形になっていた。
この比翼前立ては、ヨーロッパ調で、しかも非常にドレッシィな感じがするものである。
一方、袖口についていえば第一がシングルカフス。これはパラシルカフスともいい、トラディショナルなシャツは、大半がこのシングルカフスになっている。
そして袖口ボタンも、ブルックスブラザーズのものなどでは、カフスの中央に付けないで、2/3ほど内側に付いている。
これは、この位置に付けると、スーツやジャケットを着た場合、袖口が開き気味になって、きれいに見えるからである。
その他、カフリンクス(カフスボタン)も出来、ボタン止めにもなるものに、コンバーチブルカフスがある。
ただし、これは私自身の感じでは、カフリンクスをした場合、中途半端な気がする。
次にカフリンクス専用のダブルカフスがある。アメリカではレディメイドのダブルカフスはほとんどないので、こんなシャツを着用していたら、注文仕立てに見られる。
ただ、これはドレッシィ用、スポーティーなジャケットなどに組合せるのはおかしいので、注意が必要だ。 |
THE BUTTON ボタンの材質や穴の数にも凝る精神
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トラッドシャツのボタン
細かい話だがドレスシャツのボタンにもちょっとした注意を払ってみよう。
ドレスシャツのボタンは、四つ穴、三つ穴、二つ穴の三種類がある。
もっとも一般的なものが四つ穴。これも、ボタン付けでは、“二の字”になるか“X字”になるかだが、アメリカのトラディショナルシャツの大半が、ミシンの関係上X字のボタン付けをしているため、我国でもマニアはボタンダウンなどトラディショナルなシャツは、ボタン付けがX字になっていなければ本ものではないーーなどとよくいわれる。
ただし、これはたんなるミシンの問題、昔はX字は手付けでなければ付けられなかったが、今では専用ミシンさえ工場に入れれば、付けられるようになったので、各メーカー共ちょっと気を付けている所は、ボタン付けをX字にするようになって来た。
三つ穴は、ちょっと珍しく、アメリカのハサウエイ社のオリジナルである。日本でデザインタイアップしているメイドインジャパンのハサウエイも、ちゃんとした三つ穴ボタンを使っており、ボタンダウンの衿先に付けたボタンまで三つ穴になっている。
ハサウエイが三つ穴を使うのは、ちょうどボタンの止めの糸が正三角形のように付くので、どの方向に引っぱっても強度があるからだろう。
二つ穴は、構造上、多少弱いのは否定出来ない。トラディショナルなシャツには、二つ穴使用はほとんどなくて、大半がヨーロッパ調のドレスシャツに付いている。
華奢な感じだから、ドレッシィなシャツ向きである。
材質的にはいちばん高価なものは蝶貝という巻き貝から作るもの。次いで高瀬貝だが、実用と強度という面からいうとプラスチックが一番だ。
従って、蝶貝はごく高級なレディメイドか、オーダーのシャツに使われる程度である。
このようにシャツのボタン一つといってもいろいろあるので、凝り出すとこんな小さなものも気になって来る。
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WING COLLAR SHIRT & TRAD SHOP
ウイングカラーをツイードジャケットに合せる?
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ウイングカラーとトラディショナルショップ
コティ賞やカティーサーク賞など、めぼしいアワードを一人占めにしたアメリカのデザイナー、アレキサンダージュリアンが来日したとき、私はある専門誌の依頼で、インタビューして記事を書くために都心のホテルに彼を訪ねたことがあった。 |
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その席に臨んだ彼は、純白の、胸にプリーツが入り、ウイングカラーという本来ならフォーマルシャツのデザインであるシャツを、いとも無造作にノータイで、そのうえスポーティーなツイードの
ジャケットに合わせて着ていたのである。
足元を見ると、靴は<トップ・サイダー>のデッキシューズを素足にはいている、というラフさだった。
この着こなしは、それなりにすばらしく、わたしはこのときウイングカラーが新しもの好きの若者の間に、ニューヨークで先端的な流行になっているのを知ったのである。
それから一週間ほどたって、ダイレクトフライトでニューヨークに飛んだ。
そこで興味があったので、このウイングカラーのシャツがどのメンズショップに並べられているかを調べてみた。
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その結果わかったことは、<シャリバリ><サンフランシスコ>なんていうアバンギャルドショップには置いてあったが、流行をとり入れることにかけてはあれほど貪欲で進歩的なトラディショナルショップ<ポール・スチュアート>には、ただの一枚もこの型のシャツはディスプレイされていなかった。もちろん<ブルックスブラザーズ>や<チップ>にはあろうはずがない。
つまり<ポール・スチュアート>をはじめとするトラディショナルショップには、一つの哲学があり、このシャツは自分のコンセプトではない、ということで、品揃えをギブアップしたのであろう。
自分の範疇でなければ、いくら流行でも絶対に着ない。男には女性と違って、このような着こなし哲学があってもいいのではあるまいか。 |
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